健康志向が高まる中、毎日のお弁当においても栄養バランスを意識する人が増えています。お弁当は、手軽に持ち運べるだけでなく、工夫次第で手軽に健康的な食事をとることができます。
この記事では、健康的なお弁当が注目される理由や、栄養バランスの整ったお弁当のポイント、簡単に作れるおすすめレシピ、さらに便利な宅配サービスについて詳しく紹介します。忙しい方でも実践できる工夫や、作り置きを活用した時短テクニックもあわせてご覧ください。
健康的なお弁当が注目されている理由
健康的なお弁当が注目される背景には、手軽さや栄養バランスのよさ、多様なニーズへの対応力があります。具体的には以下の通りです。
作り置きを活用すれば手軽
「毎日お弁当を作るのは大変」と感じる方でも、作り置きを活用すれば健康的なお弁当が無理なく用意できます。週末にまとめて調理することで、平日の朝は詰めるだけという手軽さを実現できるのです。
煮物や炒め物、マリネなど日持ちするおかずを準備しておけば、15分程度でお弁当が完成します。時間的な負担が少ないため、継続して健康的な食事を摂ることが可能になります。
栄養バランスが取りやすい
お弁当は主食・主菜・副菜をバランスよく詰めることで、自然と栄養バランスが整います。ご飯やパンなどの主食、肉や魚、卵などの主菜、野菜や海藻などの副菜を組み合わせることで、炭水化物・たんぱく質・ビタミン・ミネラルなど、必要な栄養素をまんべんなく摂取できます。
多様なニーズに対応している
お弁当は、アレルギーを持つ食材を避けたり、好みの味付けにアレンジしたり、その日の体調に合わせて内容を調整して作れます。糖質制限中の方は炭水化物を控えめにしたり、減塩が必要な方は出汁や香辛料を活用したりするなど、柔軟に工夫することも可能です。
また、宅配サービスでは、管理栄養士が監修したメニューなど、糖質制限や特定の栄養管理が必要な人にも対応できるものが充実しています。
健康的なお弁当とは？
健康的なお弁当とは、単に野菜を多く入れただけのものではありません。必要な栄養素がバランスよく含まれ、エネルギー量も適切に調整されたものを指します。また、見た目の美しさや食べやすさも重要な要素です。
主な5つのポイントを解説します。
栄養バランスが整っている
健康的なお弁当の最も重要な条件は、栄養バランスが整っていることです。厚生労働省が推奨する「日本人の食事摂取基準」に基づき、炭水化物約50～65％、たんぱく質約13～20％、脂質約20～30％の割合を目安にします。
具体的には、ご飯やパンなどの主食、肉や魚などの主菜、野菜中心の副菜を組み合わせることで、自然と適切なバランスに近づきます。
組み合わせのよい食材を使用している
食材の組み合わせは、栄養価を高める上で重要な要素です。たとえば、鉄分を含む小松菜とビタミンCを含むレモンを組み合わせることで、鉄分の吸収率が向上します。また、大豆製品と海藻類を一緒に摂ることで、カルシウムの吸収が促進されます。
そのほか、季節の食材を活用することで、旬の栄養価を最大限に活かすことも可能です。
調理法がヘルシーである
調理方法も健康的なお弁当作りには欠かせない要素です。揚げ物より蒸し物や焼き物を選び、油の使用量を控えめにすることで、カロリーを抑えられます。茹でる、蒸す、電子レンジ加熱などの調理法は、食材の栄養素を保持しやすく、余分な脂質を加えずに済むのもメリットです。
味付けについても、塩分を控えめにし、出汁や香辛料、酸味を活用することで、満足感のある味わいを実現できます。
彩りと満足感がある
見た目の美しさは、食欲を刺激し満足感を高める重要な要素です。赤・黄・緑・白・黒の5色を意識して食材を選ぶことで、自然と栄養バランスも整います。
赤はトマトやパプリカ、黄は卵やかぼちゃ、緑は葉物野菜、白はご飯や豆腐、黒は海苔やきのこなど、色とりどりの食材を使用するとよいでしょう。視覚的に満足感があると、少ない量でも充実した食事と感じられる効果があります。
目的に合わせた工夫がされている
個々の健康目標に応じて、お弁当の内容を調整することが大切です。ダイエット中の方は、野菜を多めにして炭水化物を控えめにしたり、筋力アップを目指す方は、たんぱく質を多めに摂取できるよう工夫したりします。
また、生活習慣病予防のためには、塩分や脂質を制限し、食物繊維を多く含む食材を選びます。年齢や活動量に応じた適切なエネルギー量に調整することも重要です。
健康的なお弁当におすすめのレシピ
ここでは、栄養バランスに優れ、作り置きにも適したレシピを紹介します。どのレシピも手軽に作れて、お弁当のメインや副菜として活用できるので、ぜひ試してみてください。
ひき肉とかぼちゃ、さやいんげんのバタぽん炒め
【材料（2人分）】
- 合びき肉 １５０ｇ
- かぼちゃ １／４個（３００ｇ）
- さやいんげん １袋（１５０ｇ）
- ミツカン 味ぽん 大さじ２と１／２
- バター １５ｇ
【作り方】
- さやいんげんはヘタを切り落とし、斜め半分に切る。かぼちゃは、３ｃｍ大に切る。
- フライパンにバターを中火で熱し、かぼちゃとさやいんげんを加え、ふたをして弱めの中火で５分加熱する。かぼちゃの上下を返し、５分加熱する。
- かぼちゃといんげんをフライパンの片側によせ、空いたところに合びき肉を加え、炒める。色が変わってきたら「味ぽん」を加え、水けが少なくなるまで炒め合わせる。
このおかずは、ひき肉のうまみとかぼちゃの自然な甘み、さやいんげんの食感が一度に楽しめる点が特徴です。バターとポン酢を使うことで、コクがありながらもさっぱりとした味わいに仕上がります。
彩りもよく、食物繊維やビタミン類が豊富に含まれているため、栄養バランスを意識したいお弁当にぴったりです。冷めてもおいしく、作り置きにも向いています。
レンチン一発！ふわふわ肉団子
【材料（2人分）】
＜肉団子材料＞
- 豚ひき肉 １００ｇ
- 豆腐 １／３丁（１００ｇ）
- たまねぎ １／４個
- しいたけ ２個
- 片栗粉 小さじ１
- おろししょうが 小さじ１
- 塩・こしょう ひとつまみ
＜調味料＞
- ミツカン カンタン酢 大さじ２
- トマトケチャップ 大さじ１と１／２
【作り方】
- 豆腐は水けをきり、ペーパータオルで水けを軽くふく。たまねぎ、しいたけはみじん切りにする。
- ボウルまたはポリ袋に＜肉団子の材料＞を入れ、豆腐をつぶすように、全体が均一になり粘りが出るまでよく混ぜる。
- 耐熱皿に、２を８等分に分けて丸めて入れる。よく混ぜ合わせた＜調味料＞を回しかけ、ふんわりとラップをして電子レンジ（６００Ｗ）で６分加熱する。
- 軽く混ぜ合わせて、器に盛る。
電子レンジで手軽に調理できるふわふわ肉団子は、忙しい朝や時短を重視したいときに適しています。肉団子は、たんぱく質源として主菜におすすめで、ふんわりとした食感が特徴です。
野菜や豆腐を加えることでヘルシーさが増し、栄養価も高まります。冷めても固くなりにくく、お弁当にも入れやすいおかずです。
さばのごま焼き
【材料（2人分）】
- さば （切り身） ２切れ
- いりごま 大さじ２
- 小麦粉 小さじ１
- 長ねぎ 適量
- サラダ油 適量
＜調味料＞
- ミツカン 追いがつおつゆ２倍 大さじ２
- みりん 大さじ１
【作り方】
- さばは水けをふき、＜調味料＞に３０分程度漬けたあと、ペーパータオル等で水分を取る。いりごまと小麦粉を混ぜたものを表面にまぶす。
- 長ねぎは４ｃｍ長さに切る。
- フライパンにサラダ油を熱し、１、２を焼く。
さばのごま焼きは、青魚特有のDHAやEPAなどの良質な脂質が摂れるのが魅力です。ごまをまぶして焼くことで香ばしさが加わり、ご飯との相性もよくなります。
冷めても風味が損なわれにくく、骨も取り除きやすいため、子どもから大人まで幅広く楽しめます。魚料理を手軽に取り入れたい方にもおすすめです。
にんじんのソース炒め【ビタミンAが摂れるサプリ副菜】
【材料（2人分）】
- にんじん １本（１５０ｇ）
- サラダ油 小さじ２
- キッコーマンデリシャスソースウスター 大さじ２
- 青のり 小さじ½
【作り方】
- にんじんは皮のまま縦半分に切り、斜め薄切りにする。
- フライパンに油を中火で熱し、（１）を広げて１～２分焼いたら、さらに２分炒める。
- フライパンの中央を空け、デリシャスソースを加えて煮たて、上下を返しながら水分が少なくなるまで炒め、青のりをふる。
にんじんのソース炒めは、ビタミンAを豊富に含むにんじんを使った副菜です。ソースで味付けすることで、野菜が苦手な方でも食べやすくなります。
彩りも鮮やかで、お弁当全体の見た目を引き立てる役割としてもぴったりです。食物繊維やミネラルも摂れるため、栄養バランスを整えたいときに役立ちます。
ごぼうの炊き込みごはん
【材料（4人分）】
- 白米 2合
- ごぼう 100g
- 鶏肉 1/2枚
- にんじん 1/4本
- しめじ 1/2パック
- S&Bサンショー（パウダー） 少々
- 【Ａ】
水 350ml
S&Bおろししょうが 大さじ1/2
李錦記鶏丸ごとがらスープ（顆粒） 小さじ1
醤油 大さじ1
酒 大さじ1
塩 少々
みりん 小さじ1
【作り方】
- 白米は洗ってザルに上げ、しっかりと水けをきります。
- ごぼうはよく洗い、表面を包丁でこそげ取ります。縦4-6等分に包丁目を入れて細めのささがきに切り、水にさらしてザルに上げ、水けをきります。鶏肉は1cm角程度に切り、にんじんは3cm長さのせん切りにします。しめじは小房に分けます。
- 【１】を炊飯器に入れ、【Ａ】を加え、【２】の具材を入れて炊きます。
- 炊き上がったらご飯と具を混ぜ合わせ器に盛り、サンショーを振ります。
ごぼうの炊き込みごはんは、食物繊維が豊富なごぼうを主役にしたご飯ものです。ごぼうの香りと食感がアクセントとなり、満足感のある一品になります。
炊き込みごはんは主食と副菜を同時に摂れるため、忙しい日のお弁当にも便利です。冷めてもおいしく、作り置きにも適しています。
小松菜と厚揚げのそぼろ炒め
【材料（2～3人分）】
- 小松菜 １５０ｇ
- にんじん ４０ｇ
- 厚揚げ １５０ｇ
- サラダ油 大さじ1/2
- 豚ひき肉 １００ｇ
- 白ごま 適宜
- ごま油 大さじ1/2
- （A）
キッコーマンいつでも新鮮味わいリッチ減塩しょうゆ 大さじ３
マンジョウ米麹こだわり仕込み本みりん 大さじ１と1/2
おろしにんにく 小さじ１
- （B）水溶き片栗粉
片栗粉 小さじ1/2
水 小さじ½
【作り方】
- 小松菜は３～4ｃｍ長さに切り、にんじんは拍子木切りにする。厚揚げは大きめのひと口大に切る。
- フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、ひき肉を入れてほぐしながら炒める。色が変わってきたらにんじん、厚揚げ、小松菜を加え、炒め合わせて火を通す。
- （Ａ）を加えて全体を炒め合わせ、（Ｂ）でとろみをつける。仕上げに白ごまをふり、ごま油をまわしかける。
小松菜と厚揚げのそぼろ炒めは、鉄分やカルシウムが豊富な小松菜と、たんぱく質を含む厚揚げを組み合わせたおかずです。そぼろ状に仕上げることで、ご飯と一緒に食べやすくなります。
また、味付け次第では和風にも中華風にもアレンジでき、野菜がしっかり摂れる点も魅力です。冷めてもおいしく、作り置きにも適しています。
健康的なお弁当のための作り置きのコツ
作り置きを上手に活用することで、毎日の弁当作りがぐっと楽になります。安全性とおいしさを保つために、以下のポイントを押さえておきましょう。
清潔な保存容器を使う
作り置きを入れる容器は、清潔な保存容器を使用しましょう。ガラス製やプラスチック製の密閉容器を使用する前に、熱湯消毒または食器用洗剤でしっかり洗浄します。蓋のパッキン部分も忘れずに洗い、完全に乾燥させてから使用します。
容器の素材によって保存に適した料理が異なるため、油分の多い料理にはガラス製、冷凍保存にはプラスチック製など、用途に応じて使い分けるとよいでしょう。
おかずはしっかり冷ましてから保存する
調理したおかずは、常温まで冷ましてから冷蔵庫に入れます。熱いまま保存すると、容器内に結露が発生し、雑菌が繁殖しやすくなるためです。
冷ます際は、平らな容器に移し替えて表面積を広げると、効率よく温度を下げられます。急いでいるときは、氷水を張ったバットに容器を浸けると時短になります。
1食分ずつ小分けにして保存する
作り置きおかずは、1食分ずつ小分けにして保存することがおすすめです。大きな容器にまとめて保存すると、使用のたびに空気に触れる機会が増え、劣化が早まるためです。
小分けにすることで、必要な分だけ取り出せるため、残りの保存状態を良好に保てます。また、弁当に詰める際の時間短縮にもつながります。
しっかり加熱・味付けをする
作り置きおかずは、通常の料理よりもしっかりと加熱し、味付けもやや濃いめにすることがポイントです。中心部まで十分に火を通すことで、食中毒のリスクを減らせます。
味付けについては、塩分や酸味、香辛料を効かせることで、保存性が高まります。ただし、健康面を考慮して過度な塩分は避け、酢や柑橘類の酸味を活用するのがおすすめです。
保存日や中身をラベルで明記する
作り置きおかずを安全に消費するため、容器には調理日と内容物を記載したラベルを貼ることがおすすめです。おかずにもよりますが、冷蔵保存の場合は3～4日、冷凍保存の場合は2～3週間を目安に食べきるようにしましょう。
ラベルには、解凍方法や再加熱の注意点も記載しておくと便利です。定期的に保存状態をチェックし、期限内に使い切るよう心がけましょう。
健康的なお弁当のテイクアウト＆宅配サービス
忙しくてお弁当を作る時間がない方や、より専門的な栄養管理を求める方には、宅配サービスの利用がおすすめです。近年では、健康志向の高まりとともに、栄養バランスに配慮した宅配弁当サービスが充実しています。
宅配弁当サービスの特徴とメリット
宅配弁当サービスは、健康や栄養バランスに配慮したメニューを自宅まで届けてくれる便利なサービスです。管理栄養士が監修したメニューが多く、糖質やカロリー、塩分などが細かく調整されているものもあります。
定期配送を利用すれば、買い物や調理の手間が省けるだけでなく、計画的な食事管理が可能になります。また、メニューのバリエーションも豊富で、飽きることなく続けられるのも大きなメリットです。
主な宅配サービス
健康面に配慮した宅配サービスを紹介していきましょう。
カツモトフーズ
カツモトフーズは、山口県下関市田中町に本社のある老舗の日本料理店です。長年にわたり地元で親しまれており、日本料理・割烹・ふぐ料理・郷土料理の提供や、仕出し弁当・会席弁当・オードブル・寿司などの宅配サービスを展開しています。
お弁当やオードブルの宅配は、地域の家庭や企業、観光客にも利用されており、厳選食材と伝統の味を手軽に楽しめる点が評価されています。また、ふぐやくじら、あんこうなどの高級食材を使った本格的な料理が特徴で、宴会や法事、会議など多様なニーズに対応可能です。
nosh（ナッシュ）
nosh（ナッシュ）は、糖質や塩分を抑えたヘルシーな冷凍弁当を提供する宅配サービスです。60種類以上の豊富なメニューが揃い、和洋中さまざまなジャンルの料理を楽しめます。すべてのメニューが糖質30g以下、塩分2.5g以下と設定されており、ダイエットや生活習慣病予防を意識する方にも適しています。
電子レンジで温めるだけで食べられる手軽さも人気の理由です。定期配送にも対応しており、ライフスタイルに合わせて無理なく続けられます。
三ツ星ファーム
三ツ星ファームは、管理栄養士が監修した栄養バランスのよい冷凍弁当を提供するサービスです。和食・洋食・中華など多彩なメニューが揃っており、飽きずに続けられる点が高く評価されています。味や見た目にもこだわっており、自宅にいながら外食気分を味わえる本格的な料理を楽しめるのも魅力です。
1食あたりのカロリーやたんぱく質量が明記されているため、健康管理やダイエットを意識する方にも選ばれています。冷凍保存が可能で、必要なときにすぐ食べられる利便性も大きなメリットです。
ウェルネスダイニング
ウェルネスダイニングは、糖質制限や塩分調整、たんぱく質調整など、特定の健康管理が必要な方に特化した宅配弁当サービスです。管理栄養士がメニューを監修しており、食事制限が必要な方でも安心して利用できます。
冷凍で届けられるため、保存性が高く、必要なときに電子レンジで温めるだけで食べられます。医療機関とも連携していることから、持病や体調管理が必要な方にも高い信頼を得ているサービスです。
ワタミの宅食
ワタミの宅食は、家庭的な味付けと豊富なメニュー展開が特徴の宅配弁当サービスです。管理栄養士が監修したバランスのよい献立が毎日届き、飽きずに続けやすい点が人気です。
高齢者向けのやわらか食や、ボリューム重視のメニューなど、利用者のライフスタイルや好みに合わせて選べるのも魅力。配達エリアが広く、全国各地で利用できる点も大きな強みといえるでしょう。
タイヘイファミリーセット
タイヘイファミリーセットは、家族全員が安心して食べられるバランスのよい宅配弁当を提供しています。子どもから高齢者まで幅広い世代に対応したメニューが揃い、栄養バランスや食材の安全性に配慮されています。
冷凍弁当も選べるため、保存性が高く、忙しい家庭でも使いやすいのが特徴です。日替わりメニューや季節限定メニューも用意されており、飽きずに続けやすいサービスです。
栄養満点のお弁当で毎日を活き活きと
健康的なお弁当は、日々の生活に活力を与えてくれます。主食・主菜・副菜のバランスや調理法、食材の組み合わせを工夫することで、無理なく続けられる健康習慣が身につきます。
作り置きや宅配サービスも活用は、忙しい日でも栄養バランスのよい食事を手軽に楽しめるのが魅力です。毎日のお弁当を通じて、心身ともに健やかな毎日を目指しましょう。
