2025年2月19日 法事に弁当がおすすめな理由は

故人を偲ぶ大切な法事の席で、参列者への食事の提供方法について悩んだことはありませんか。法事の席での会食には、仕出し弁当が実用的で便利な選択肢です。

 

この記事では、法事では持ち帰りの仕出し弁当がおすすめである理由や選び方などを詳しく解説していきます。注意しておきたいポイントにも触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

 

法事・法要とは

法事・法要とは

仏式の供養において、故人を追悼する大切な儀式である法事・法要。参列者と共に故人を偲び、感謝の気持ちを表す機会のことを指します。現代では同じような意味で用いられている「法事・法要」について、違いを見ていきましょう。

 

法事とは

法事とは、死者の追善供養のために行う仏事全般のことを指します。住職の読経や参列者の焼香など故人を供養する法要と、その後の会食など行事すべてを含めた言葉です。もともとは、仏の教えを広めることを意味したといわれています。

 

法要とは

法要とは、故人の冥福を祈るための読経や焼香、僧侶の説法を含む宗教的な儀式のことです。7日目に行う「初七日」、49日目に行う「四十九日(七七日)」、満1年で行う「一周忌」などがあります。

 

法事の際の会食「お斎(おとき)」とは

法事の際の会食「お斎(おとき)」とは

法事や法要の儀式が終了した後、施主が僧侶や参列者への感謝の気持ちを込めて会食の場を設けることが一般的です。この会食を「お斎(おとき)」と呼び、故人を偲びながら参列者との親睦を深める大切な機会になります。

 

かつては故人の自宅で遺族がお斎の料理を作り、参列者に振る舞うことが多く見られました。しかし現代では、料亭やレストランでの会食、あるいは仕出し弁当を利用するケースが増えています。忌明け前であっても通常の会席料理を提供することが多く、地域性や家族の意向によってメニューはさまざまです。

 

なお、お斎を行わない場合は、お酒の小瓶や折詰弁当を引き出物とともに参列者へ贈ることが習わしといわれています。

 

お斎の内容は精進料理?

お斎は仏事における食事であり、本来は仏教の「不殺生」の教えに基づいた精進料理が理想的とされていました。精進料理とは、肉や魚などの動物性食材や調味料を一切使用しない料理のことを指します。

 

しかし現代では、お斎の意味合いが変化してきており、必ずしも精進料理である必要はないとされています。参列者に満足していただくため、一般的な会席料理や懐石料理を提供することが一般的です。

 

ただし、料理の選択には配慮が必要です。伊勢エビや鯛など、お祝いのイメージが強い食材は避けることが望ましいでしょう。また、参列者の年齢層に応じて、高齢の方が多い場合はあっさりしたおかずや柔らかい食材を選ぶなどの工夫が大切です。故人の思い出の品や好物を取り入れると、参列者との会話も弾むかもしれません。

 

お斎の料金相場は?

お斎の料金相場は、会場によって異なります。斎場やお寺で行う場合は1人あたり3,000~8,000円程度、料亭やレストランを利用する場合は5,000~10,000円程度が一般的です。

 

なお、折詰弁当の場合は3,000~5,000円程度が標準的な価格帯でしょう。この価格帯であれば、内容が物足りないということも、逆に豪華すぎて恐縮させてしまうこともありません。また、引き出物の費用も必要となるため、総額を事前に確認しておくことが大切です。

 

法事に弁当がおすすめな理由

法事に弁当がおすすめな理由

法事の会食では、仕出し弁当を利用するメリットが多くあります。準備の手間が省け、効率的に会食を進められるのが特徴です。具体的に説明していきます。

 

食事の準備や手間が省ける

仕出し弁当を利用することで、料理の準備や片付けの手間を大幅に削減できます。とくに、自宅で法事を行う場合は、準備の負担が軽減されるメリットが大きいでしょう。配膳や食器の用意も不要となるため、主催者側の負担が軽くなります。

 

持ち帰りができる

仕出し弁当にすることで、持ち帰りができるメリットがあります。食べきれなかった分を無駄にすることなく、参列者が自宅で味わうことが可能です。

 

また、法事の席に長時間参加できない参列者も、持ち帰り用として弁当を受け取れるため、気兼ねなく帰宅できるでしょう。施主側も、感謝の気持ちを形として参列者に伝えられるという利点があります。

 

法事の弁当の選び方

法事の弁当の選び方

法事にふさわしい弁当を選ぶためには、いくつかのポイントがあります。料理の内容や価格帯を考慮し、参列者に失礼のないものを選びましょう。

 

一般的には「懐石料理」がおすすめ

法事や法要の仕出し弁当は、格式高い和食を基本とすることが一般的です。迷ったら、季節の食材を活かした懐石料理を選ぶのが無難でしょう。

 

以前は精進料理が多く提供されていましたが、現代では「法事だから必ず精進料理」という考え方は薄れています。また、子どもの参加が予定されている場合は、子ども用の別メニューを用意すると喜ばれるでしょう。

 

ふさわしくない料理や食材とは

法事の弁当では、お祝いごとを連想させる食材は使用を控えることが望ましいでしょう。前述したように、鯛や伊勢エビといった慶事に用いられる食材は適していません。また、紅白の飾り付けや金箔を使用した華やかな盛り付けも避けるべきでしょう。

 

故人を供養する場であることを考慮し、落ち着いた雰囲気の料理を選択することが大切です。参列者への配慮としても、このような点に気を配ることで、適切な雰囲気づくりにつながります。

 

傷みにくい食材のものを選ぶ

法事の弁当を選ぶ際は、傷みにくい食材を選ぶようにしましょう。遠方から参列される方もいるため、長時間経過しても安全に食べられる食材であることが重要です。

 

刺身や寿司などの生魚は、懐石料理では一般的な食材ですが、弁当の場合は避けるほうが望ましいといえます。とくに暑い季節は生ものの使用を最小限に抑えることが賢明です。参列者が安心して持ち帰れるよう、調理済みの食材を中心とした献立を心がけましょう。

 

弁当の相場は3,000円前後

一般的な法事弁当の価格帯は、1人あたり3,000円前後が相場といってよいでしょう。地域や店舗によって3,000~5,000円と価格の変動はありますが、この価格帯であれば品質と経済性のバランスがよいといえます。参列者の人数と予算に応じて、適切な価格帯の弁当を選びましょう。

 

法事の弁当の注文方法

法事の弁当の注文方法

法事弁当の注文は、通常の宅配や仕出しとは異なる点があります。参列者の人数や予算を考慮しながら、適切な店舗とメニューを選択していきましょう。

 

注文数を把握する

参列者の人数を正確に把握し、余裕を持って注文数を決定します。急な欠席や追加に備えて、数個の予備を用意しておくのもおすすめです。遠方からの参列者がいる場合は、早めの確認を意識しましょう。

 

仕出し弁当の店を決める

信頼できる仕出し弁当店を選択することが重要です。メニューの豊富さや口コミ、レビューを参考にしながら、ふさわしい店舗を探していきましょう。法事弁当の実績がある店舗を選ぶことで、安心して注文できます。

 

メニューから弁当を選ぶ

法事にふさわしい内容の弁当を選択します。季節感のある料理や、参列者の年齢層に配慮したメニューが望ましいでしょう。子どもやアレルギーがある人への対応も、必要に応じて確認することが大切です。

 

Webサイト・電話・FAXなどで注文する

注文方法は、店舗によって異なります。Webサイトでの注文が可能な店舗も増えていますが、電話やFAXでの対応のみの場合もあるでしょう。早めに注文方法を確認し、余裕を持って手配することが大切です。

 

支払い方法を選択する

支払い方法も、店舗によって選択肢が異なります。現金払いの他、クレジットカードや振込にも対応している店舗が増えています。支払い時期や方法を事前に確認しておくと、スムーズに進められるでしょう。

 

人気の法事弁当は?

人気の法事弁当は?

大手コンビニエンスストアやスーパーマーケットでも、法事弁当の取り扱いがあります。手軽に注文できる点が魅力です。一例を紹介しましょう。

 

セブン-イレブンの法事弁当

セブン-イレブンでは、「セブンミールのごちそう膳」という法事向けの弁当を提供しています。前日午前10時59分までのネット予約、または前日9時30分までの店頭予約で、翌日に店舗での受け取りが可能です。

 

厳選された食材を使用した彩り豊かな料理と、選べるご飯が特徴です。仏事用の掛け紙も用意されており、法事の席にふさわしい体裁で提供してくれます。注文は1個から可能で、まとめての注文にも対応しており、支払い方法もクレジットカードや電子マネーなど多様な選択肢があり便利です。

 

ローソンの法事弁当

ローソンでは、各種行事や宴会の席にぴったりの「ふるまい御膳」という仕出し弁当を提供しています。受け取り希望日の15日前から予約対応しており、3日前の午前9時まで予約が可能です。予約や受け取りは店舗にて行っています。

 

直火で焼いた鮭や煮物、豊富な種類の和え物などが揃っており、満足度の高い弁当です。注文は2個から可能で、支払いは現金のほか、各種クレジットカードにも対応しています。

 

イオンの法事弁当

イオンでは法事向けの仕出し弁当の取り扱いはありませんが、オードブルの予約を承っている地域があります。東京都・神奈川県・千葉県・山梨県のイオンでは「ごちそうメニュー」という豪華なオードブルメニューを取り扱っています。

 

店頭のほか、ネット予約、ネットスーパー予約が可能です。店頭受け取りはもちろん、イオンネットスーパーで予約すれば自宅で受け取ることもできます。

 

法事の弁当に関する注意点

法事の弁当に関する注意点

法事弁当の注文には、いくつかの確認事項があります。スムーズな準備のために、以下のポイントに注意しておきましょう。

 

配達エリア、配送料を確認する

仕出し弁当店では、料理の品質を保ち、指定された時間に確実に届けるため、配達可能なエリアを設定しています。法事を行う会場が配達エリア内に含まれているか、注文前にしっかりと確認しておきましょう。

 

また、配送料は配達先までの距離によって設定されることが一般的です。弁当の料金と合わせて配送料も確認し、予算内に収まるか確認しておくことをおすすめします。遠方への配達の場合は追加料金が発生する可能性もあるため、事前の確認が必要です。

 

受け取り方法、受け取り日時を確認する

配達か店舗受け取りか、受け取り方法を決めておきましょう。配達の場合は時間指定の可否を確認し、予期せぬ渋滞やトラブルも考慮して、余裕を持った時間設定をすることが大切です。

 

会場での食事を予定している場合は、配膳の準備時間も考えておきましょう。法要の進行を妨げることなく、参列者が食事を楽しめるよう、受け取り時間には十分な余裕を持たせることが重要です。計画的に時間を設定することで、当日の混乱を未然に防げるでしょう。

 

返礼品も準備しておく

法事の弁当とは別に、返礼品の準備も忘れないようにしましょう。弁当は法事の食事の代わりですが、返礼品は参列者が持参する御仏前へのお礼という異なる意味を持っています。そのため、弁当の有無に関わらず、参列者全員に返礼品を渡すことが礼儀なのです。

 

返礼品を選ぶ際は、参列者への配慮も大切です。30cm四方以内の小さなサイズで、重さは1kg以内程度にするとよいでしょう。また、お茶や食べ物、調味料など、日常的に使用できる消費品を選ぶことで、参列者に余計な負担をかけることなく感謝の気持ちを伝えられます。

 

法事の弁当について知っておこう

法事の弁当は、故人を偲び、参列者への感謝を表現する大切なものです。和食を基本としながらも、現代では必ずしも精進料理にこだわる必要はなく、故人の好みや参列者の年齢層に配慮した選択が可能になっています。

 

注文の際は、配達エリアや配送料、受け取り時間などの実務的な確認を怠らないようにしましょう。また、傷みにくい食材を選び、遠方からの参列者への配慮をすることも重要です。弁当と一緒に、御仏前へのお礼としての返礼品も準備することで、参列者への感謝の気持ちを適切に伝えられます。

 

法事の弁当は単なる食事の提供以上の意味を持っています。故人を追悼する場にふさわしい内容を選び、参列者全員が心地よく過ごせる環境づくりを心がけることが大切です。